サポートするということ④

塾長の松下です。

 

夏休みが終わり、二学期のスタートです。

暑い日が続きますが、頑張っていきましょう。

 

前回の続きです。

 

この生徒の場合で、もう一つ残念だったのは、ご家族のことです。

というのも、子どもの学力がどのような状態であるかをあまり把握されておられませんでしたし、中学卒業後の進路について話し合いをされてませんでした。

中学3年生になって塾に来られてから、どれほど学力が低いのか、そして高校受験で合格することがどれだけ厳しい道なのかを伝えました。

 

いろんな家庭の事情で、子どもと関われる時間が少なくなることも、子どもの宿題をみてあげる時間がないのも十分に理解できます。ですが、学校には懇談もありますし、今どんな状態で、このままいくとどうなるか、そういう話し合いはできたはずです。

 

彼の周りのだれもが、彼の将来について真剣に向き合ってこなかったのだと思います。

もっと早い段階でなにか対策をとっていたら、中学3年生になるころには、ずいぶんと違った状況になっていたかもしれません。

 

もちろん高校進学することが、彼にとってよかったか、幸せだったかはわかりません。また、高校に合格できるようになったかどうかもわかりません。ただ、彼からその機会を奪ってしまったのは周りのサポート不足です。

 

サポートとは、「可能性をつぶさないこと」そして「真剣に向き合うこと」だと思います。

それをせずに、一時的であったり、形式だけであったりするするのは、本当のサポートではなく、大人の都合のよい自己満足にすぎません。

 

サポートすることは、本当に難しく、大変なものなのです。ですから、学校だけしようとするのではなく、家庭はもちろん、塾などとも連携してするべきなのです。

プライバシーの問題などもあり、なかなか学校が塾などと協力するのは難しいかもしれませんが、今のような閉鎖的なままでは苦しむ子どもが増える一方です。

 

今回書かせていただいたのは、ほんの一例です。今の子どもたちは本当にいろいろな問題を抱えています。学校を中心とした教育の在り方を考え直すべき時が来ていると思います。