サポートするということ③

塾長の松下です。

夏休みも、もうすぐ終わります。ラストスパートです!

 

前回の続きですが、この生徒にとって高校進学がベストな道だったかどうかはわかりません。

問題なのは、彼の可能性を早い段階でつぶしてしまったことなのです。

本気で彼の人生と向き合う人がいなかったことなのです。

 

確かに小学校の低学年で、他の子どもたちに乱暴したり、授業中に集中できなかったりすると

クラス全体にいい影響は与えないですし、しかも軽度の発達障害と診断されたのであれば、通常クラスではなく、支援学級に移動させることは適切だと思います。通常クラスでわからない授業を黙って聞き続けることは苦痛でしょうし。

ただ、だからといって、この生徒に勉強する機会も与えず、好きなことだけさせてあげることが、サポートすることだとは思えません。すべての学校の支援学級がそうでないことはわかっていますが、彼は勉強を教えてもらうことがほとんどなかったのです。多くの生徒を守るために、彼を隔離しただけなのです。

小学校で身につけるべき学力、つまり数の数え方や計算、そして「ことば」の読み書き。これから生きていくためには絶対に必要なことです。高校や大学に進学しなかったとしても、簡単な計算もできず、文を読む力もない状態で、どうやって働き、どうやって生活していけばいいのでしょう。

 

もしかしたら彼にきちんとした教育をしたとしても、やっぱりできなかったかもしれません。しかし、その判断を早い段階でするのは絶対に間違っています。彼の小学校での先生たちは、彼の将来を本気で考えていたでしょうか? クラスには何十人も生徒がいて、しなければならない仕事もたくさんあり、いろんな余裕がないこともわかっています。ですが、1人の人生がかかっていることなんです。

「この子、このまま中学生にさせてしまっていいのかな?」「この子のためには、どうするのがよいのだろうか?」こんな疑問を持ち、会議などで話し合うことはなかったのでしょうか?

あるいは、支援学級であったとしても真剣に彼に勉強を教える努力はしたでしょうか?

 

現実問題、1人の生徒だけに特別な授業をすることは学校では難しいです。先生の人数も足りません。だからといって、このままでは大きい枠からはみだした子どもたちは、学ぶ場所もなければ安心できる場所もありません。社会が大きく変化した今では、もう何十年も前の学校システムでは対応できなくなっているのではないでしょうか。

 

さらに次回に続きます。

 

 

 

 

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